「IAEAは中立か」東京新聞の処理水めぐる報道、元国連広報官は「結論ありき的な記事」と指摘IAEAは中立か。福島第一原発の処理水をめぐる東京新聞の報道が波紋を呼んでいます。国連で長く勤務してきた上智大の植木安弘教授に、国際関係機関や報道への受け止めを聞きました。
東京電力福島第一原発の「処理水」の海洋放出をめぐり、東京新聞が7月8日に配信した記事が議論を呼んでいる。
「原発処理水の放出にお墨付き…IAEAは本当に『中立』か 日本は巨額の分担金、電力業界も人員派遣」と題した記事だ。
海洋放出は「国際的な安全基準と合致する」といった内容の包括報告書を今月4日に発表した国際原子力機関(IAEA)について、記事は「(IAEAに)日本が多くの分担金を出してきた」などとして、その中立性に疑問を投げかけた。
分担金とは何か。その多寡は国連や国際機関の職員に影響を与えるのか。IAEAは中立ではないのか。
国連で長く勤務した経験を持つ、上智大の植木安弘教授(国際関係論)に話を聞いた。
(略)
ーー「そもそもIAEAはどこまで信を置けるのか。かねて日本政府は、IAEAに巨額の分担金や拠出金を支出してきた。IAEAのお墨付きは、中立的な立場から出たと受け止めるべきか」。こんな前文から始まる東京新聞の記事に、どんな印象を持たれましたか?はじめに、結論ありき的な記事ですね。
処理水の海洋放出に関して、日本政府がIAEAに政治的な影響力をかけているのではないか、ということかと思いますが、IAEAは国際機関ですので、政治的な部分には関与せず、中立的な立場から業務を行っています。
また、職員は国際公務員で、各国の政治的主張を受けてはいけないという基本原則があります。
今回、IAEAは科学的な根拠に基づいて評価していますし、この中立的な立場は基本路線として変えることはできません。
(略)
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Source: おーるじゃんる